大腸がんのすべてがよくわかる

腸閉塞(ちょうへいそく)

大腸がん,腸閉塞腸閉塞とは腸内が何らかの理由で塞がり、食べた物や水分・大便などの内容物が通過できなくなってしまう状態になります。

腸閉塞は小腸や大腸など、腸どの部分にも起こる可能性があります。

高齢になると加齢や筋肉の衰えとともに、腸の動きが緩慢になることや腸内細菌のバランスが崩れることで起こることがあります。

また、ヘルニアと言って、お腹や鼠蹊部の組織の隙間の部分に腸が落ち込むことで腸閉塞になることがあり、これも高齢者に起こりやすいと言えます。
 

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大腸がんと腸閉塞

大腸がんの患者さんが腸閉塞になる場合、以下のような理由が考えられます。

・がんが大きくなって腸の内容物の通りを妨げてしまう場合
・リンパ節や腹膜などへの転移のために、大腸や小腸が外側から圧迫されて細くなったり塞がったりしてしまう場合
・大腸の手術直後、手術や麻酔の影響で抑制された腸の動きがうまく回復しなかった場合
・大腸の手術を受けて数か月~数年後、手術を受けた腸が周囲の組織と癒着することで腸の動きが抑制されて起こる場合
・慢性的な便秘から起こる場合(がんの病状との関連が明らかでない場合も含む)

手術直後、特に高齢者は腸閉塞になる可能性が高いので注意が必要です。
 

腸閉塞の症状

腸閉塞では以下のような症状が考えられます。

・腹痛
・お腹の張りがある・おならや便がしっかり出ない・便秘
・食欲低下・げっぷ・吐き気・嘔吐

中には腸穿孔(ちょうせんこう)と言って、腸が破れてお腹の中に食べ物や便が流れ出た状態になることがあります。

■腹痛
腸内の通過障害により、腸が張った状態になることで神経が刺激され腹痛が起こります。痛みの強さや場所は、どの部位にどの程度の閉塞が起こるかによって異なります。

お腹の張りによる痛みであるため、鎮痛剤が効きにくい場合があり、おなら・大便・げっぷが出ることで緩和されて痛みが軽減することが多くなります。

■腹部の張り・便秘・排便・おならの不調
腸内の内容物が通過せず、停滞してしまうことで起こる症状になります。腹部が張り詰めた状態で、お腹を軽く叩くと太鼓のような軽い音がすることがあります。

■食欲低下・げっぷ・吐き気・嘔吐
腸閉塞が酷くなると腸内の内容物が滞ることで食事が摂れなくなります。また、ゲップや吐き気・嘔吐が見られ、大便やおならのような悪臭がある場合があります。

■腸穿孔(ちょうせんこう)
腸が張り詰めることで腸に穴が開いたり、腸が破れた状態を腸穿孔と呼びます。腸の内容物が腸外に溢れ出すことで腹膜炎を起こし、通常は発熱・強い腹痛・吐き気・お腹を押さえた時の強い痛みなどがありますが、高齢者では症状がはっきりと表れない場合があります。
 

腸閉塞の治療

腸閉塞の治療では、閉塞した箇所の通りを良くし、張り詰めた腸の減圧が中心に行われます。

主な治療方法として以下のようなものがあります。

・絶飲食
・チューブの挿入による減圧
・手術

腸の閉塞改善を目的とする治療に加えて、吐き気や腹痛へ対しての対処がなされます。

■絶飲食
腸閉塞になると腸内に内容物が溜まっているため、絶飲食が基本になります。食事の代用として点滴で栄養分や水分を補給します。

レントゲン等で確認し、腸閉塞が改善していることが確認できるまで絶食や水分制限は続けられます。また、腸閉塞が軽い場合、絶飲食だけで軽快することもあります。

■チューブの挿入による減圧
鼻・口・肛門から腸内まで届くチューブを挿入したり、詰まっている内容物やガスを排出する治療です。

■手術
酷い腸閉塞や腸穿孔を起こしている場合には手術が行われます。手術では閉塞や穿孔を起こしている部位を切除し、再び腸を繋ぐ手術、若しくは人工肛門を造設する場合等があります。

また、人工肛門を造設では、一時的に造設して腸閉塞が改善した後に閉じる場合と永続的に増設する2種類があります。
 

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