大腸がんのすべてがよくわかる

大腸がんの末期

「末期がん」「がん末期」という言葉が一般的にはよく使われていますが、実は医療用語ではなく定義ははっきりとしていません。

大腸がんの末期厚生労働省の特定疾病選定基準では「末期がん」とは「医師が一般的に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態」と記載があります。

通常「現段階では現状以上の有効な治療法が確立しておらず、治療しても回復する見込みがない、またはこれ以上の治療ができない」ような状態を末期と呼びます。

このため、「末期がん患者」と一口に言っても、自覚症状のないような見た目は元気な人から余命宣告をされている人まで、病状は様々な人が含まれていると言えます。

医療用語としてある「終末期」という言葉では「治療しても回復の見込みが期待できない場合」という状態に加えて、おおよそ余命半年程度の人を意味します。
 

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大腸がんの末期ステージ(病期)

大腸がんのステージ(病期)として、末期にあたる患者さんはステージⅣ期(多発リンパ節転移・他臓器への転移を起こしている状態)の人が多くなります。

しかし、先ほど「末期がん」の定義で挙げたように「末期」には様々な状態が含まれるため、ステージⅣ期の大腸がんイコール「末期」とはなりません。
 

大腸がんの末期症状

大腸がんが末期症状の中では、以下のような症状が強く表れることが多くなります。

・痛み
・便通の不調
・腸閉塞
・他臓器への転移による症状

■痛み
大腸の粘膜には痛みを感じる神経がないため、がんの進行が浅い時は痛みが少なく、便秘や下痢などの便通の異常が原因で腹痛を伴うことが多くなります。

しかし、腹膜には痛みを感じる神経があるため、大腸の外側にがんが進行したり、腹膜やリンパ節や他の臓器に転移すると腹痛を感じることがあります。がんができた位置によっては腰や背部に痛みが起こります。

■便通の異常
がんが大きくなると腸内が狭くなり、大便の通過が障害され下痢や便秘が起こります。

また、腹膜やリンパ節にがんが転移して腫瘍が発生すると腸を圧迫するため、腸が狭くなったり、腸の動きが阻害され便通に異常が起こります。便秘が酷い場合腸閉塞に至ることがあります。

■腸閉塞(ちょうへいそく)
文字通り、腸内が閉塞した状態です。大腸に発生したがん・腹膜・リンパ節への転移により、便秘になったり、腸が圧迫されて塞がれてしまう状態です。

腸が閉塞することで次のような症状が起こります。

・腹痛
・便が長らく出ない・もしくは少量ずつしか出ない
・ガスが出にくい
・腹部が張る・張っている感じがする
・食欲がない
・吐き気・嘔吐・げっぷ

腸閉塞の治療では、絶食やチューブを挿入しての腸内の減圧と排液、手術による閉塞部分の切除、人工肛門の造設手術などがあります。

■他臓器への転移による症状
がんが大腸から血流に乗って転移しやすいのが、肝臓・肺・脳になります。転移した場合、それぞれの臓器に応じた症状が現れます。

肝転移では、易疲労感(疲れやすい)・倦怠感・微熱・黄疸などの症状が考えられます。肺転移では、咳・血痰・喀血・息苦しさなどが起こることがあります。

また、脳転移による症状では、頭痛・嘔吐・けいれん・手足のしびれ・麻痺・視力障害・言語障害などの症状が現れることがありますが、腫瘍が発生した部位や大きさによって異なります。
 

大腸がん末期の治療

他臓器への転移がみられるステージⅣ期や「治療による回復の見通しがない」と言われる末期であっても治療がされないわけではありません。

転移があっても手術が可能な例もあります。また、病気の進行を遅らせるために抗がん剤治療や放射線治療が実施されます。

症状による苦痛を軽減することで、日常生活を支障なく過ごせることが目的となる緩和治療が選択される場合があります。
 

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